自治体が寄付金を集めようとお礼の品(返礼品)をどんどん豪華にしている感のある「ふるさと納税」。昨年もやり過ぎている自治体に対して総務省が注意喚起を行っていましたが、2016年4月1日に総務省は遂に返礼品自粛を要請する通知を発令。
総務省の意向にはなかなか逆らうことができない地方自治体、これで「ふるさと納税」の返礼品競争は一段落か? ただし総務省の通知は強制力も罰則もなく、スルーしてしまう自治体もあるかもしれません。
ただし総務省が本気で豪華すぎる返礼品をどうにかせねば・・・、と考えているようなので、豪華さをきそった「ふるさと納税」の返礼品競争もコレで下火になる可能性が。
時代の徒花となるかもしれない「ふるさと納税」バブル。総務省の指導(通知)の下で今後消えてしまうかもしれない、お得な返礼品をピックアップしてみました。ご興味あればお急ぎを。
総務省の返礼品自粛要請の内容
自治体による加熱する「ふるさと納税」の返礼品競争。2016年4月1日に総務省が各自治体に出した返礼品自粛を要請する通知書。その通知書の中で、指摘されているものは下記の内容です。
①プリペイドカードや商品券等「金銭類似性の高いモノ」
②電気・電子機器や貴金属、ゴルフ用品など「資産性の高いモノ」
③寄付額に対し「還元率の高いモノ」
「金銭類似性の高いモノ」、「資産性の高いモノ」、「還元率の高いモノ」はふるさと納税の返礼品としては、今後自粛して欲しい、という通知を出した総務省。
コノ3要件に当てはまりそうなものを、下記にピックアップしてみました。
商品券・旅行券
・北海道占冠村 しむかっぷ村共通商品券(1万円以上:50%)
・岩手県陸前高田市 陸前高田地域共通商品券(5千円以上:40%)
・山形県金山町 美杉ちゃん商品券(1万円以上:40%)
・宮城県多賀城市 多賀城・七ヶ浜スタンプ会共通商品券(1万円以上:45%)
・福島県大玉村 大玉村共通商品券(1万円以上:50%)
・群馬県みなかみ町 返戻感謝券(みなかみハピネスチケット)(2千円以上:50%)
・群馬県嬬恋村 愛する嬬恋基金感謝券(5千円以上:50%)
・群馬県渋川市 渋川市ふるさと感謝券(1万円以上:50%)
・埼玉県宮代市 ご当地商品券ありがとう(1万円以上:40%)
・埼玉県川島町 川島町ふるさと親孝行商品券(1万円以上:40%)
・千葉県大多喜町 大多喜町ふるさと感謝券(1万円以上:60%)
・新潟県新発田市 月岡温泉旅館感謝券(1万円以上:50%)
・長野県青木村 青木村地域消費券(1万円以上:55%)
・静岡県西伊豆町 西伊豆町ふるさと納税感謝券(旅行券)(5千円以上:50%)
・静岡県伊豆の国市 伊豆の国市ふるさと納税寄付金感謝券(1万円以上:50%)
・静岡県小山市 サーティーワンアイスクリーム商品券(1万円以上:40%)
・岐阜県大垣市 水の都わくわくプレミアムクーポン(1万円以上:50%)
・三重県志摩市 志摩市共通商品券(5千円以上:50%)
・三重県鳥羽市 ふるさと納税感謝優待券(1万円以上:50%)
・大阪府熊取町 ツーリスト旅行券(1万円以上:30%)
・高知県 まるごと高知商品券(5千円:50%)
・福岡県行橋市 スターリングマイル(1万円以上:80%)
・長崎県東彼杵町 ふるさとへ帰ろう!Peachセット(1万円以上:50%)
・鹿児島県長島町 長島町商工会共通商品券(1万円以上:50%)
※( )は左側数字が必要な寄付金額、右側が還元率
※還元率50%ということは1万円の寄付で5千円の商品券等が返礼品となります
ふるさと納税の仕組みは下記を御覧ください
商品券が最も還元率が計算し易いです。昨年の総務省の指導でプリペイドカードのような金品に近い返礼品は姿を消しましたが、その地域で利用できる商品券は未だ存在。
4月の総務省の通知は、商品券等に最も影響が出ると考えられます。
宿泊券
・山形県庄内町 北月山荘宿泊券(1万円以上:70%)
・群馬県中之条町 四万温泉で使える半額相当の「感謝券」+特産品(1万円以上:60%)
・群馬県草津町 くさつ温泉感謝券(1万円以上:50%)
・和歌山県白浜市 白浜温泉宿泊割引券(1万円以上:50%)
・鳥取県三朝市 三朝温泉旅館利用券(1万円以上:50%)
・鳥取県江津市 有福温泉旅館宿泊割引券(2万円以上:50%)
・島根県飯南町 もりのす宿泊割引券(1万円以上:50%)
こちらも還元率が計算しやすい宿泊券。宿泊券はまだ総務省に対して地域振興という理由付けがし易い面はあります。
家電製品
・宮城県角田市 軽量スティッククリーナーラクティ(5万円)
・山形県米沢市 NECノートパソコン(16万円以上)
・山形県東根市 カシオのプレミアム電卓(6万円以上)
・茨城県日立市 空気清浄機(3万円以上)
・茨城県境町 ガーミンのサイクルコンピュータ(10万円以上)
・長野県駒ヶ根市 パナソニック32型液晶TV(15万円以上)
・長野県諏訪市 SEIKOのGPS腕時計(80万円以上)
・長野県飯山市 iiyamaの液晶ディスプレイ(3万円以上)
・長野県安曇野市 エプソンのPC(18万円以上)
・長野県伊那市 ロジテックのモバイルバッテリー(1万円以上)
・長野県駒ヶ根市 パナソニックのふとん掃除機(10万円以上)
・静岡県掛川市 ヤマハのヘッドフォン(3万円以上)
・大阪府大東市 象印IHジャー「極炊き」(5万円以上)
・福岡県福智町 日立ロータリーシェーバー「G-SWORD」(5万円以上)
・岡山県備前市 ヘアドライヤー ナノケア(5万円以上)
・島根県出雲市 富士通のPC(20万円以上)
家電系は長野県の自治体が充実しています。パソコンの工場が多いからなんでしょうが、その多さは他府県と比べると抜けています。
雑貨等
・静岡県磐田市 ヤマハフルート(30万円以上)
・大阪府柏原市 電動アシスト自転車(18万円以上)
・福岡県久留米市 ブリジストンの自転車(8万円以上)
・兵庫県三木市 ゴルフクラブセット(6万円以上)
宝飾品
・静岡県牧之原市 あこや真珠ネックレス・イヤリングセット(10万円以上)
・愛媛県宇和島市 パールピアス(1万円以上)
・鹿児島県志布志市 赤珊瑚グラデーションネックレス(20万円位上)
高級食品
・北海道池田市 十勝香りセット(ブランデーとワイン)(2万円以上)
・長野県飯山市 コシヒカリ最上級米 幻の米5kg(5千円以上)
・鳥取県米子市 伝統の一品大山3種類詰め合わせ(1万円以上)
・鹿児島県垂水市 森伊蔵1,800ml(1万円以上)
まとめ
2年連続で総務省の指導が入ることとなった「ふるさと納税」。
元々制度自体に自治体同士の税金の取り合いの側面があり、それは分かった上で総務省も制度導入をした訳ですが、返礼品競争が加熱しすぎる事態は予想外だったようです。
ただし、特別豪華な返礼品なしでも「ふるさと納税」での寄付を豊富に集めている自治体もあるので、「ふるさと納税」の寄付額の過多は、各自治体のアイディア次第という側面もあるようです。
総務省の指導が入ったとはいえ、制度自体がなくなるわけではない「ふるさと納税」。せっかく日頃住んでいない自治体に寄付をするわけなので、納得できる自治体に寄付したいものですね。
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