太平洋戦争時、パラオ諸島のペリリュー島で行われた激戦。約6倍の兵力を有する米軍に対し、日本軍は激しく抵抗。ペリリュー島での日本軍の驚異的な抵抗に、天皇陛下は合計11回も嘉賞のお言葉を送る程に。果たしてペリリュー島の戦い、一体どのような戦いだったのでしょうか。

 2015年4月8日~9日の日程で天皇皇后両陛下がパラオ国を訪問。その中で、4月9日は太平洋戦争時に大激戦の行われたペリリュー島を訪問。今回はこのペリリュー島での戦いがどんなものであったか解説してみようと思います。

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ペリリュー島について

 ペリリュー島はパラオ本当の南方45kmにある小島、面積は約13k㎡。島全体はサンゴ礁の塊でできています。島の中央部は自然の洞窟や断崖絶壁、渓谷が多数存在。日本軍は主にそこに陣地を構え米軍と戦いました。

 尚、太平洋戦争時はペリリュー島は日本の委任統治領、日本の敗戦後はアメリカの信託統治となり、1994年にパラオ国として独立し現在に至っています。

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パラオ国の国旗とペリリュー島の場所

ペリリュー島の戦い

 1944年9月15日から1944年11月25日の約2ヶ月の間に、日本守備隊と米軍攻撃隊の間に激しい戦闘が行われます。結果的に日本軍は戦死者約1万人、米軍は死者約1,700名、負傷者約8,000人という損害が発生するという、まれに見る激戦に。尚、実質的な戦闘終了後も、34人の日本兵はゲリラ戦を継続し、本当の意味でペリリュー島の戦いが終わったのは、34人がゲリラ戦を終え山を下りた1947年(昭和22年)4月22日となります。

 日本軍約11,000人に対し、約49,000人で攻撃を仕掛けた米軍、当初戦闘を2~3日で終わらせると豪語していた米軍ですが、日本軍の組織的な抵抗に大苦戦。一般的には、太平洋戦争時、日本軍は水際作戦が殆ど機能しなかったイメージがありますが、ペリリュー島の戦いは別格で、上陸戦の初日に米軍に戦死210名、戦傷901名の犠牲を与えます。しかしながら、やはり物量差から米軍の上陸は阻止できず、島内によるゲリラ戦に移ります。ゲリラ戦というと、単発的な攻撃のイメージがありますが、ペリリュー島での日本軍の戦いは島中に陣地を張り巡らせた上で、訓練された軍隊による組織的抵抗。この島内での戦いで、日本軍は驚異的な抵抗を見せることになります。

天皇陛下の心を動かしたペリリュー島の戦い

 当時既にサイパン、グァム等で敗北が相次ぐ日本にとって、ペリリュー島の奮戦は、日本軍にとっては希望の光的存在に。天皇陛下も、毎朝ペリリュー島の状況を気にされていたご様子。

 そして、ペリリュー島の守備隊に対し、9月15日・17日・22日・10月6日・18日・24日・11月2日・7日・13日・14日・20日と11回もご嘉賞の言葉を送られています。11回のご嘉賞の言葉を得た部隊は過去、そしてその後も例が無く、天皇陛下にとりペリリュー島の戦いが、どれだけ心を動かされたものだったか、というのが、このご嘉賞の11回という回数から分かります。

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11月24日に組織的抵抗は終了

 約2ヵ月に渡ったペリリュー島の戦い、日本軍の組織的抵抗は11月24日に、ペリリュー地区隊長の中川州男大佐の自決によって終了します(中川大佐は、死後2階級特進で中将に)。ただしその後も、前述の通り終戦後も尚、ゲリラ的な抵抗を日本軍は続けることに。組織的抵抗終了から、34人がゲリラ戦を終えて山を下りるまで約2年の月日が経過します。

 尚、最後まで抵抗を続けた34人の方々も、実は日本は戦争に負けたのではないか、というのを途中から何となく気付いていたそうです。米軍の食糧倉庫の襲撃等しながら食を繋いでいたそうですが、ある時からパタっと、襲撃に対する反撃がなくなったそうです。それによって、日本は戦争に負けたのではないか?、と思うようになった、と管理人はまた聞きで聞いたことがあります。

まとめ

 南太平洋の国パラオ、そしてペリリュー島。今の日本人には南の島の明るいイメージしかありませんが、実は歴史的には日本にとって、非常にゆかりのある島です。太平洋戦争時の島での戦いと言うと、硫黄島の戦いや沖縄の戦いは有名ですが、ペリリュー島でも激しい戦闘があった、というのは歴史の1ページに残っています。

 天皇皇后両陛下のパラオ訪問、上記のような歴史的背景があります。旅行好きでないと、なかなか訪れる機会のないパラオやペリリューではありますが、こんな歴史を知った上で訪れれば、新しい視点で旅を楽しむことができるかもしれませんね。(ペリリュー島には未だ錆びた戦車や砲台等が残されています)

 ご参考下されば幸いです。

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