オスマントルコ帝国、と言えば小アジアを中心に最盛期はヨーロッパから中東まで広大な領土を支配したことで有名ですが、ハプスブルク家のオーストリアもその版図に組み込まれる瀬戸際にあったことをご存じでしょか?

 今も昔もオーストリアの首都はウィーン。その昔、ハプスブルク家の支配するオーストリアでは、ウィーンはその帝国の頂点に立つ都市として存在していました。

 しかしながら、ウィーンと言えども、戦火からは逃れられず、拡大を続けるオスマントルコ帝国が、1度目は1529年、2度目は1683年と、何と2度に渡ってウィーンを包囲しています。

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1529年のオスマントルコ第一次ウィーン包囲

 1529年の第一次ウィーン包囲は、オスマン帝国の最盛期に行われています。東ローマ帝国(ビサンティン帝国)の首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を陥落させたオスマントルコ、その領土拡大欲はとどまらず、旧ユーゴルラビアの一帯まで征服。そして次は、東ヨーロッパにターゲットが絞られます。破竹の勢いのオスマントルコ軍は、モハーチの戦いでハンガリー軍を撃破し、ウィーンまで来襲。そしてウィーンの攻城戦が始まります。

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トルコは2度もウィーンを包囲!

 ウィーンの攻城戦は約2ヶ月続きますが、オーストリア軍の激しい抵抗がなされ、ウィーンの落城は免れます。オスマントルコの側としても、さすがにトルコ本国からウィーンは遠すぎて、補給がうまくいかなかったという事情及び、9~10月という寒さが厳しくなりつつある攻城戦で、寒さに慣れていないオスマントルコ軍としては、それ以上は長居できなかった、という事情があったようです。

 ただし、この第一次ウィーン包囲で守備側のオーストリア軍は完全に疲弊してしまい、オスマントルコ軍の撤退を、追撃もできずに指をくわえて見ているしかできなかったようです。

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1683年のオスマントルコ第二次ウィーン包囲

 第一次ウィーン包囲から、時を経ること約150年。1683年に再びオスマントルコ軍がウィーンに姿を現し、第二次ウィーン包囲が行われます。オスマントルコの執念は相当なものです。ただし、第一次ウィーン包囲の際のオスマントルコはまさに成長期にあった国家ですが、第二次ウィーン包囲の頃は、オスマントルコは国家としては成熟期にかかっています。
 そして第二次ウィーン包囲も約2か月に渡って行われましたが、第一次に引き続き最終的にオスマントルコはウィーンを落とせず。
 オーストリア軍の激しい抵抗は当然として、トルコ本国から遠く離れたウィーンの地での攻城戦、で兵たちの士気が上がらなかった、というのが敗因の大きな要因だったようです。

 しかし、第二次ウィーン包囲と第一次包囲との違いは、オーストリア側の連合軍(ポーランド・ドイツ・オーストリア)が、最後はトルコ軍を撃退している点。トルコ軍の総大将は命からがら、戦場を脱出しています(トルコ側の責任者のカラ・ムスタファは、ウィーンから逃げ延びたものの、敗戦他の責任を問われ、その後死罪となります)。そして、ウィーンの包囲失敗→大敗戦、の結果、オスマントルコ軍は東ヨーロッパ進出の体力を失い、ヨーロッパはようやくオスマントルコ軍の恐怖から逃れることができるようになった、というのが歴史の流れとなります。

 ちなみに、第二次ウィーン包囲の際、オーストリア側がトルコ軍の忘れ物からコーヒー豆を見つけて、これがきっかけとなりヨーロッパでコーヒーが流行り始めた、というのはボチボチ有名はお話ですね。

 トルコ軍のウィーン包囲失敗のお陰で、今では安くでウマイコーヒーが簡単に飲めるようになりました。ネスカフェのバリスタはその象徴のような感がします。インスタントなのにウマイ!

まとめ

 オスマントルコ軍のウィーン攻略が成功していたら、歴史は大きく変わっていたかもしれません。ウィーンがスペインみたいにイスラムっぽくなっていたりして・・・、想像すると案外楽しいものです。
 仮に一旦トルコがウィーンを占領できたとしても、その後の歴史を見れば、最終的にはヨーロッパ側がウィーンを取り返すのは間違いないと思いますが、それでも、案外コーヒーが世界に普及することはなかったりして?

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 地図を見ながら歴史の流れを見るのって、案外楽しいもんです。特にヨーロッパは陸続きなので、今の領土に至るまでには様々な歴史がある訳で(ロシアとウクライナで争っているクリミア半島はまさにそのケース)、その事情を紐解くのは非常に興味深いですね。
 
 歴史シリーズ、管理人歴史は結構好きなので、また機会があれば書いてみようと思います。

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