第一次世界大戦の手前から対戦中のドイツを知るのに、『1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか』(飯倉章著)は新書でコンパクトにまとまっており、読みやすい本と言えます。

意外に知られていない第一次世界大戦の少し前から対戦中のドイツについて知っておくと、
ドイツ史の流れが途切れることなく把握することができます。

日本から見るとマイナーな歴史帯ではありますが、第一次世界大戦の手前から対戦中のドイツを知るのに『1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか』、オススメ致します。

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知識の断層の第一次世界大戦時のドイツ

歴史マニアな管理人ですが、第一次世界大戦前後の歴史はスッポリと記憶が抜けています。そりゃ高校の世界史で習ったレベルの内容は知ってますが、逆に言えばその程度。

第一次世界大戦のきっかけは、オーストリアの皇太子がセルビアでテロリストに銃撃され・・・、という流れは知ってます。けどなぜドイツがロシアそしてイギリス・フランスそしてアメリカとまで戦うに至ったのか、ボンヤリとしか知ってませんでした。

そんな中で本屋で立ち読みしたのが、『1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか』。少し読んで、おーっこれは面白い、と買ってしまいました。

第一次世界大戦時のドイツを知ることができる、良書ではないでしょうか。

第一次世界大戦の前から本はスタート

本書は第一次世界大戦の前からスタートします。プロイセンがドイツになる、ビスマルク時代から書かれています。

ビスマルク時代となると、多少は知識があるので、スーッと入っていけますが、恐らくこのビスマルク時代の記載が案外、本書では大切な部分。首相と軍部と皇帝の理想的な三角関係について語られます。

そして当時の三角関係を理想像として、本書は書き進められています。個人的にはビスマルクが精神的に弱かったのは意外でした。鉄血宰相、って漢字で書かれると、いわゆる豪傑、とのイメージを抱いてしまいますが、実際にそうではなく、時折長期の休養していたというのは、驚きでした。

結局日本の第二次世界大戦と同じ構図じゃないか?

結局、第一次世界大戦時のドイツは首相(=政治)と軍部と皇帝の三角関係のバランスが崩れてしまい、大敗北に至る、というストーリー展開。これって第二次世界大戦時の日本に似てるな、というのが率直な感想。

日本は皇帝=天皇の権威はドイツとは違い低下しませんでしたが、政治が完全に軍部の下になってしまい、三角関係が崩れてます。軍が国家を振り回す、との観点では、第一次世界大戦時のドイツと第二次世界大戦時の日本は状況は似ています。

とは言え、ドイツは戦争では日本と違い、後退しつつはありましたが日本のように追い詰められた訳ではなかった部分は、戦争上手のドイツの独特の状況ではあります。

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兵士は駒ではない

第一次世界大戦と第二次世界大戦のドイツの違いは、第一次大戦はロシア戦でドイツは勝利し、東部戦線の部隊を西部戦線に投入できている点。第二次大戦は、ドイツは東西から挟み撃ちにされる格好となりますが、第一次大戦の後半戦は西部戦線のみです。

それじゃドイツは有利じゃないか、と思っていたのですが、さにあらず。兵士は駒ではない、という当たり前の事実が存在。

東部で戦争が終わった、と思えば人間、早く故郷に帰りたくなるってものです。東部戦線から西部戦線に部隊が移動後、最後の大攻勢まではメンタル的にハイな状態を維持できても、更に戦闘が続くとなれば、兵士の気持ちは切れてしまいます。その状況が本書には詳しく描かれています。

やはり生身の人間が行う戦争は、シミュレーションゲームのとは違います。その事実を思い知らされる内容となっています。

あと、第一次世界大戦関連の本を読むと毎回思うのですが、死者の数が簡単に万単位で出ています。これが戦争の現実なのですが、第一次大戦関係の本を読むと、毎回戦争の虚しさを感じてしまいます。

まとめ

第一次世界大戦の前のドイツから筆が始り、どのようにドイツが第一次大戦で敗れて言ったか、新書でコンパクトにまとめられており、この本で凡そのドイツの敗因と第一次大戦のドイツ側の流れを理解することができます。

流れをつかめるので案外、高校生の世界史の勉強にも使えるのでは?

なかなか知る機会の無い、第一次世界大戦前後のドイツを知るのにオススメです。

PS 本書を読んだ後、思わず読み返したのが下記の『劇画ヒットラー』。ゲゲゲの鬼太郎でお馴染みの、水木しげる氏の作品。出征経験のある水木氏により、ヒットラーの生涯が描かれています。ドイツでヒトラーの歴史を知るのに(特に前半戦)、この本ほど分かりやすい本は他にありません。こちらもオススメです。

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