2018年ワールドカップを前に、『砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか?』を読んだので書評まで。何でハリルさんの首を切ってしまったんかね?、というのが本を読む前からの疑問ですが、本書を読んで改めてそう思いました。

単にサッカー論としてだけでなく、日本人や日本の企業が世界と戦っていくにはどうしたらよいか、という観点で読んでも面白い良著です。

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2018年ワールドカップ開催目前!

いよいよ2018年ワールドカップ開催が目前に迫ってまいりました。当サイト、実はスタートしたのが2014年春で、丁度前回のワールドカップ開催の年。

管理人のワールドカップの時だけサッカーファンになる、というミーハー振りを発揮して、当サイトでも結構なワールドカップネタの記事を書きましたが(殆ど消しましたが・・・)、今回も時間を見つけて観戦記でも書こうかな、と。

そう思っているときに見つけたのが・・・・。ハリル監督を首にしてしまって、個人的にはスッカリ日本代表には興味が無くなってしまった今回のワールドカップ。

ハリルさん程の名将がよく中途半端な時期に来てくれたなー、と思っており、解任の件は、日本の組織の典型的なダメさが出てるよオイ、と心底残念に思っていたので、興味深く手にとって一気に読み進めました。

ちなみにハリル監督の経歴は以前の記事で取り上げているので、そちらも併せてご覧ください。

関連記事:サッカー日本代表監督ハリルホジッチ氏の実績や経歴

サッカーの戦略・戦術面の部分はレベル高し

本書は新書ですが、中盤までは現代サッカーの戦略・戦術論が語られています。コノ部分、ジックリやると本当に面白い部分だと思うのですが、現在の管理人ではレベル不足。殆ど流し読みです。

時間あればジックリ、現代サッカーの戦略・戦術論の本読みたい所ですが、そこまで手が出ていません。けどそこまでやると、サッカー観戦(特にワールドクラス)がホント面白くなるな、というのが良く分かります。

あ、管理人は球技は昔から完全に、見るだけ派です。実践は全くできません。運動音痴です・・・、だから登山やってます。運動音痴というより、球技音痴なんだ、というのに山を始めてから気付きましたが(登山長くやってるくらいなので、基礎体力は人並みにはありました)。

なんでハリルさんクビにしてしまったかなー

前回のワールドカップで優勝したドイツを、アルジェリアを率いてあと一歩まで追い詰めたのはハリル監督(前監督ですが、話の流れ上、監督とします)。サッカー監督としての優秀さはワールドクラス、というのは言うまでもありません。

本書でもハリル監督の優秀さをしめすエピソードが随所にちりばめられています。少なくともワールドカップで勝つ、という観点では、ハリル監督をなぜ切ってしまったのか・・・、との思いを強くするばかり。

ハリル監督を選ぶ際の面談のエピソードがまたハリル監督の優秀さを示しているのではないかと。

面談にあたって、ハリルホジッチは資料を用意してきました。~その資料をもとに、現在の日本代表はこういうところがストロングポイントで、こういうところが課題で、結果W杯ではこうだった。アジアカップではこうだった。そこからこういうことが導き出されるので、私が監督になったらこのような方針でやりたいと思っている。そういう具体的な話をしてくれました。~会って話をすることが決まってから3日後くらいのことです。今までの監督候補の中で、そこまでやってくれる人はいませんでした。『砕かれたハリルホジッチ・プラン』

結局のところ、ロジックでこうやればこうなる、と説明できるって確かですし、それができなければ、頑張りましょー、とならざるを得ない。ま、それが実行できるかどうかは別問題ですが、ワールドカップで勝つための方法論をロジックで説明できる能力を持っていたのはハリル監督。

ハリルホジッチの仕事は、プロジェクト遂行のやり方としては極めて論理的でした。~最終的にW杯本戦で勝つ、というファイナルアウトプットにむかっては「一体どういう仕事をしていたのか」が、きわめて論理的に振り返り、跡づけることのできるプロセスを描けていたとえます。『砕かれたハリルホジッチ・プラン』

サッカーに限らずワールドワイドで活躍するには、ロジック力が必要不可欠(様々な考えを持つ人々をまとめるには、和や空気では不可能)ですが、さすがハリル監督はその能力は抜群に優れていたようです。

つくづく何でサッカー協会ももう少し我慢できなかったかね、と思うのでした。日韓大会の時のトルシエさんを我慢して使い続けたこらえ性の半分くらいあれば・・・。

日本代表の欠点は既に把握できていた

本書を読むと、日本サッカー協会が過去の日本代表に対し的確に分析がなされていることに、逆に驚かされます。

日本の組織は往々にして過去から学ばず、だからこそ『失敗の本質』のような本が共感を得てしまう訳ですが(管理人も学ばない組織にいたので・・・)、意外なほど過去からバッチリ学んでいる姿に驚き。

・管理人の愛読書だったりします

ただし面白いというか、やはりサッカー協会も日本の組織なんだなぁ、と思わざるを得ないのが、途中でハリル監督連れてきて過去の分析を的確に行ってきた霜田正浩氏を左遷(客観的には左遷です)して、そして最後の仕上げにハリル監督を、コミュニケーション不足、という何とも日本的な理由でクビにして、結局忖度ジャパンと言われるようなチームになってしまっている点。

第二次世界大戦の時も、実は日本はアメリカと開戦する前に、アメリカと戦ったらどうなるか、というシミュレーションを詳細に行っていて、開戦すれば確実に負けて日本は焦土と化す、という結論まで導き出しながら開戦している訳ですが、本書を読んで、そのエピソードを思い出しました・・・。

次期日本代表監督はコロンビアのペケルマン監督を是非

もう今回のワールドカップ、日本代表は、やってみなけりゃ分からない、という太平洋戦争に突入した時の日本のよろしくない心境になっています。

ま、ワールドカップは日本代表の試合だけではないし、ワールドクラスのサッカーがほぼ毎日見ることができるお祭りなので、そちらに期待しています。

ただしワールドカップが終わればやってくるのは、次期監督を誰にするのか、という問題。そろそろ日本人監督を・・・、という声もありますが、ワールドカップで勝つ、という観点では、正直役者不足でしょう。

外国人監督を招聘がよいと思いますが、コロンビアのペケルマン監督にお願いしたい所。ハリル監督クビにした理由が、コミュニケーション不足、でしたがコミュニケーション能力、という観点ではペケルマン監督は問題なし。

当然コロンビア監督、その前のアルゼンチン監督と実績充分で、世界的には名将として通ってます。日本と2度対戦することになるので、ご縁もあります。

データ分析重視で日本にもあってます。あと、前回日本代表候補に挙がった際に、連れて行くスタッフは心理学者のみでOKだった,というエピソードがありますが、このエピソード大好きなんです。協会とのコミュニケーションはさておき、少なくとも選手とのコミュニケーションは、何ら問題なさそうです。

恐らく、元アーセナルのベンゲル監督が次の日本代表監督候補ナンバーワンでしょう。ベンゲル監督就任を期に強くなった名古屋グランパスの姿も当時見ているので、サッカー協会の長年の恋人ともいうべきベンゲル監督がついに・・・と思うのですが、コミュニケーション、がキーワードなので、ペケルマン監督の日本代表監督の姿を見てみたい、そう思います。

PS ペケルマン氏もベンベル氏も1949年生まれなので、同い年です(今年68歳)。年齢が若干ネックかもしれません。

サッカーだけでなく日本が世界と戦うためには、を考えさせられる本

『砕かれたハリルホジッチ・プラン』はサッカーだけではなく、日本が世界と戦うためには、という点を強く考えさせられる本です。少子高齢化による人口減少を背景に国としては既にピークアウトしてる日本。これまでの勢いや日本人らしい、だけでは既に戦えなくなっているなか、今後日本という国だったり企業がどうやって世界で戦っていくのか、というふかーいテーマを考える上でも充分参考になる書籍ではないかと。

本書を読んでミーハーな管理人は、一気にモードがワールドカップモードとなりました。ハリル監督率いる日本代表がどんな戦いをするか見てみたかったなー、と思いつつも、ない物ねだりをしても仕方ないので、純粋に4年ぶりのワールドカップを楽しみたいと思います。

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